【出張ドッグシャンプー】困難から生れた起業へのスタートライン

第二十一話「【出張ドッグシャンプー】一番の理解者に起業を打ち明けた夜」の続きです。


「これから忙しくなるぞ~」

「とっとと、会社を辞めてやる!」

なんかドキドキしてきた。


 

会社を辞めて『出張ドッグシャンプービジネス』を起業するボクの決心。

幸いなことに妻も理解してくれた。(たぶん・・・)

 

「もう後戻りしない!」

「あとは前進あるのみ!!」

 

ボクは新たなスタートラインに立つ。

 

そして"Xデー"を決めた。

そう。会社を辞める日だ。

それは、およそ半年後の「9月30日」

 

この日を選んだのには、単純ながらも明確な理由がある。

ボクが現在の会社に勤務してから、その日で満13年となる。

勤続年数によって計算される退職金を、最大限に活用するためのベストなタイミングなのだ。

この退職金が起業の資金源となる。

だから、できるだけ多いに越したことはない。

 

Xデーに向けた計画を立てる中で、会社での日々を振り返った。

特に、そりが合わないエンジニアの同僚とのギクシャクした関係は、時にストレスの原因となり、自分の仕事に対する疑問を抱かせることもあった。

しかし、不思議なことに、彼との対立はボクにとって重要な転換点となった。

彼との関係を通じて、ボクは自分が何を本当に求めているのか、そして自分自身の強みや弱みについて深く考える機会を得た。

彼の批判的な態度は、ボクをより創造的で、より決断力のある人間へと変えていった。

彼とのやり取りは、時には挑戦的であったが、それがボクを成長させ、新しい道へと導いたのだ。

 

そして、その経験は、会社を辞めて起業するという大きな決心をする後押しになった。

彼との関係がなければ、おそらく今後も会社の小さな歯車の一つであり続けただろう。

しかし、彼のおかげで勇気を持つことができた。

 

そして今、ボクはXデーに向けた行程を練っている。

 

「仕事の引き継ぎには最低でも2ヶ月は必要だろう。」

「7月には退職の意向を会社に伝えなければ。」

「もうすぐ4月。時間はないな。」

 

ボクは会社に復帰したが、そこには以前と変わらない日々。

同僚とのギクシャクした関係も続いているが、以前のように落ち込んでる時間はない。

勤務時間外は、全て起業準備に集中すべきなのだ。

 

それにしても同僚は相変わらずだが、ボクが会社の小さな歯車でしかないことを気づかせてくれたのは、彼。

ある意味では恩人である。

Xデーになったら、彼にはボクの小さな歯車を"のしを付けて献上"しよう。

少々錆び付いてはいるが、油を差せばきっと彼にも役立つはずだ(笑)

 

ボクは今、新たなスタートラインに立っている。

彼とのギクシャクした関係は、ボクが自分の限界を超え、新しい道を歩む勇気を持つきっかけとなった。

この経験は、ボクにとって大きな転換点。

人生での困難は、しばしば新しい機会への道を開く。

ボクの新たな旅は、ここから始まる。

 


第二十二話「【出張ドッグシャンプー】困難から生れた起業へのスタートライン」を最後まで読んでいただきありがとうございました。

物語はいよいよ佳境に入ってきました。次回、第二十三話をどうぞお楽しみに(^^)


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