第二十二話「【出張ドッグシャンプー】困難から生れた起業へのスタートライン」の続きです。
退職までの半年間は、ボクにとって、起業に向けた貴重な準備期間。
ペット業界未経験のボクが、出張ドッグシャンプービジネスを地元の街で一から立ち上げる。
ひとつ間違えば、ボクだけでなく妻と息子たちを路頭に迷わすことになる。
それは何が何でも避けなければならない。
ある日の昼下がり、四国のローカル電車に揺られていた。
線路は単線で、ところどころ無人の駅もあるようだ。
車内アナウンスが次は目的の駅だと教えてくれた。
ボクはこの駅の改札口である人物と待ち合わせをしている。
その人物はトリミングサロンの経営者。
彼のお店はトリマーのスタッフが5名ほど在籍するの繁盛店。
そして、ボクの起業計画において最重要人物である。
心臓の鼓動が少しだけ早くなっていることを感じながら電車を降り、コンパクトな駅舎の端にある改札を抜けると、ボクよりもひと回りほど年長とおぼしき男性と目が合った。
「○○さんですか?」
と呼びかけると笑顔で頷く彼。
「お待ちしてました。こんな遠くまでようこそ。」
「さあ、こちらの車にどうぞ。」
あいさつをそこそこに、車で彼の経営するドッグサロンへ向かった。
彼とは初対面なのだが、ボクは彼の事をよく知っている。
何故かというと、ボクは彼が執筆したブログを隅々まで読ませてもらったからだ。
そのブログには、彼が会社をリストラさたのを機に未経験でドッグサロンの起業に踏み切った物語が綴られていた。
起業当初は店舗を持たず移動ドッグサロンカーからスタート。
彼はトリマーではないので、犬の毛をカットはせずシャンプーサービスに特化した独自のスタイルで事業を展開。
その後にM&Aで店舗型ドッグサロンの経営にも着手し、移動型と店舗型のハイブリッドで成功を収めた起業家なのだ。
このブログを見つけ出した時、雷に打たれたような衝撃が走ったのを覚えている。
「出張ドッグシャンプービジネスの先駆者がいた!」
「これはきっと運命!!」
「この人に会わなければ!!!」
居ても立っても居られないず、彼が経営する店舗のホームページの問い合わせフォームから連絡を取った。
ボクの計画、考え、経歴などを書き添え、一度会いたいと申し出た。
翌日、彼からの返事は「YES!」。
ボクは早急にスケジュールを調整し、彼のもとへ足を運んだ。
この日をずっと心待ちにしていた。
彼のドッグサロンへ向かう車の中では、嬉しさのあまりおしゃべりが止まらない。
そんなボクを横目にしながら笑顔で運転する彼。
ほどなくして目的地のドッグサロンへ到着。
そこでの会談はとても有意義で、起業の具体的な方法や成功の秘訣が明確に語られた。
お互いのベクトルが重なり合い、彼はボクの起業をコンサルティングしてくれることに。
もちろんコンサルティングには料金が発生する。
しかし、全てを自力でする場合の労力と時間のことを考えれば、これは堅実な投資とボクは考えた。
そして、彼の経験から得られるものは計り知れない。
この出会いは、ペット業界未経験という不安材料を消し去りボクの計画を一気に加速させた。
これまでの人生において最難関の挑戦に全力で取り組む体制が整いつつある。
そしてこの光は、ボクだけでなく妻と息子たちを新しい未来へ導く道筋となる。
第二十三話「【出張ドッグシャンプー】起業家から得られた新しい未来への道筋」を最後まで読んでいただきありがとうございました。
2020年の中小企業庁のレポートによると、起業したいと考えている人の約8割が、それを実現できていないとのデータがあります。
一方、起業の準備を具体的に行った人の半数は、起業を成し遂げているそうです。
この差は何か?
それは、具体的な行動です。
起業を夢見ているのであれば、勇気を持って行動に移してみてください。
出張ドッグシャンプービジネスに少しでもご興味があれば、どんなことでも構いませんので、お気軽にお問い合わせくださいませ。