【出張ドッグシャンプー】絶望の会社員が起業家と出会った日

第八話「【出張ドッグシャンプー】会社にいる存在価値を失った絶望感」続きです。


妙な夢を見た。

必死にたこ焼きを焼いている。

両手に金串を持ち、何百個もひたすらクルクルと。

まさかこれが正夢になろうとは・・・


 

とある休日の朝。

目が覚めるととても疲れていた。

夢の中でも小間使いの仕事をさせられるとは。

えらく損をした気分だ。

 

ゆっくりと布団から這い出る。

 

寝室の壁にあるアナログ時計に目をやると、針は10時を回っていた。

 

妻と子供たちは、もう出かけてしまったようだ。

仲の良いママ友たちと子供連れでショッピングモールへ出かけると、昨晩のうちに聞かされていた。

 

今日のボクには何も予定がない。

 

だらだらと時間を過ごしているだけなのに、勝手に腹だけは減る。

昨日の夕飯の残りでもあるかと冷蔵庫を物色するも、期待は裏切られ、仕方なく最寄りの牛丼屋へ行くことにした。

 

ご近所さんの目は多少気になったが、ジャージ姿のまま玄関を出る。

 

外は思っていたより天気が良く、散歩日和なのかもしれない。

目当ての牛丼屋は地元の商店街の中にあり、歩いて15分ほど。

散歩には丁度いい距離だ。

 

休日とあって商店街は賑わっている。

 

親子連れや老夫婦。

八百屋の店主と話し込む、犬を連れたおばあちゃん。

そこにはいつも通りの景色があった。

 

「今日はひとりかい?」

「めずらしいじゃないか。」

 

ボクに気がついた、店主とおばあちゃんが声をけてきた。

ジャージ姿のボクは軽く会釈をして、そそくさとその場を離れた。

 

ふと商店街の奥に目をやると、いつもそこにはない行列が出来ている。

「なんの行列だ?」

気になり目当ての牛丼屋を通り過ぎ、その行列へと向かう。

 

30人そこそこの行列で、開店祝いの花がいくつも飾られた店に連なっている。

知らないうちに、新しい店が出来たようだ。

 

その店の正面に回り込んでボクは「はっ!」とした。

 

たこ焼き屋だ・・・

 

小さな店構えだが、通りに面して鉄板がいくつも並び、その向こうに立つ中年男性がたった一人で手早く焼いている。

満面の笑顔を浮かべながら、幸せそうにクルクルと。

 

ボクが夢で見たような必死さは微塵も感じられない。

 

その姿を目の当たりにして、胸に込み上げるものを感じた。

「彼はここに辿り着くまでどれほど苦労したのだろうか?」

いまボクが置かれている現状と彼の過去を一方的に重ね合わせていた。

 

そしてボクは、彼の人生にとてつもなく興味を抱くようになる。

 


第九話「【出張ドッグシャンプー】絶望の会社員が起業家と出会った日」を最後まで読んでいただきありがとうございました。

この出会いがボクの人生に大きな影響を与えることになるのですが、それは追々お話しますね。

 

最後にひとつだけ。

今回のストーリーに登場した彼もそうですが、起業を成し遂げた人には必ず良き支援者が存在します。
その支援者との出会いは突然やって来るものです。

あなたがこのブログに辿り着いたことも、そんな出来事なのかもしれません。
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