【出張ドッグシャンプー】起業に向けた心の整理

第四話「【出張ドッグシャンプー】起業して何がしたいのかを探る自分の棚卸し」の続きです。


 

この日もいつものように残業して遅くに帰宅。

玄関のチャイムは鳴らさず自分で鍵を開ける。

 

その音に妻が気が付き、

「おかえり!」

と、元気に出迎えてくれた。

 

「ただいま・・・」

ボクの返事は素っ気ない。

 

そのまま、息子たちが眠る寝室へ。

無邪気な寝顔を見ると心が癒される。

 

そんなボクの後ろ姿を見ていた彼女がポツリ

「辛かったら、無理しなくていいんだよ・・・」

 

ボクは普段、仕事のことをほとんど話さない。

もちろん、会社を辞めて起業しようと考えてることも。

それでも彼女は何かを感じ取っていたのだろう。

 

息子たちの寝顔に癒されてたはずなのに目から涙が溢れた・・・

気づかれないように静かに泣いた・・・

でもきっと気づいていたと思う。

 

キッチンから支度している音が聞こえる。

しばらくしてから

「ごはん食べるでしょ~?」

と声がかかった。

 

「もちろん!」

「はらへった~」

出来るだけ明るく返す。

 

遅い夕飯を食べ終えた後、会社を辞めることになるかもしれないと打ち明けると、彼女は優しくボクの目を見つめ、黙って小さく頷いた。

 

ボクは心の底から、この家族と共に最高に幸せな人生を送りたいとそう思った。

 


第五話「【出張ドッグシャンプー】起業に向けた心の整理」を最後まで読んでいただきありがとうございます。

この続きは第六話で。

 

そして最後に。

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