【出張ドッグシャンプー】起業する人たちが実践している大切なこと

第十三話「【出張ドッグシャンプー】起業に悩む会社員が受け取った貴重な合図」の続きです。


元プロボクサーの友人。

彼との約束の時間になって、数日後に新しくオープンするボクシングジムへ足を運んだ。

ケガで引退するまで、ボクシングの世界で数々の戦いを勝ち抜き、そして今はジムを開くという新たなチャレンジに挑んでいる。

その彼の口から、衝撃的な一言を聞かされる。


 

彼のジムは駅から徒歩3分の距離にあり、周辺には多くの住宅街が存在する。

一歩ジムの中に入ると、すでに設備が整い、明るい光が差し込む開放的な空間が広がっていた。

 

「さぁ、どうだ?ここで君もボクシングをやってみないか?」

彼がニコッと笑って提案する。

「ボクには無理だよ。でも、ここ、いい場所に見つけたね。」

「ああ、運が良かった。でも、場所だけじゃダメだ。集客が一番大変なんだ。」

 

彼はそれから、自らチラシを配ったり、駅前でサンドイッチマンの格好をして宣伝をしていること、女性向けのマーケティングの戦略など、起業にかける彼の情熱や行動力について語ってくれた。

 

それを聞いて、ボクは心の中で自分を責めていた。

ボクも起業を考えているが、行動することが出来ずただ悩んでばかり。

 

「君はなんで起業したいと思ってるの?」

彼の質問に、ボクは答えられなかった。

 

「それとも、まだ具体的なことは決まってないのか?」

 

「うん、そうなんだ。」

ボクは正直にそう答えた。

 

彼は少し考え込んでから言った。

 

「君は何が好きなんだ?それをビジネスにすればいい。」

「俺はボクシングが好きだ。だからこのジムを開いた。楽しいことを仕事にすれば、苦労も楽しめる。」

「これは起業するうえで、とても大切なことだよ。」

 

その彼の言葉は、ボクにとって衝撃的なものだった。

地元の商店街で、たこ焼き屋を経営している店主も、まったく同じことを言っていたからである。

 

楽しいことを仕事にする

 

起業とはそういうことなんだと、ボクはそう考えはじめていた。

ふたりの起業家は実際にそれを実践している。

そしてとても楽しそうだ。

 

ボクは感謝の気持ちを込めて彼と握手をして、ジムを後にする。

帰り道を歩きながら、これまでの人生を振り返っていた。

 

会社に任された業務を、歯を食いしばりながら遂行することで給料を得る。

会社員であれば当たり前のことだが、これが出来るのは、家族を養わないといけないという責任感があってのこと。

自分が楽しいからではない。

 

もし、楽しいと思える仕事が手に入ったのなら、家族のためにもっと頑張れるような気がしてきた。

 

そしてこの日から、ボクの仕事探しに

『楽しいと思える仕事』

という条件がひとつ加わった。

 


第十四話「【出張ドッグシャンプー】起業する人たちが実践している大切なこと」を最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

最後にひとつだけ。

私たち出張ドッグシャンプーグループのメンバーはみんな犬好き。そして毎日その犬と触れ合い、飼い主さんとの会話を楽しんでいます。
そんな楽しい仕事がある事を、あなたにもぜひお伝えしたい。

 

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