【出張ドッグシャンプー】中年サラリーマンが起業家として旅立つ

第二十四話「【出張ドッグシャンプー】市場調査の重要性を体感した起業家」の続きです。


機は熟した。

長年勤めた会社を離れ、新しい冒険への一歩を踏み出す時。

出張ドッグシャンプービジネスの起業。

それはただの夢ではなく、実現可能な計画へと昇華した。


 

会社へ出社した朝、ボクは直属の上司に面談を申し込んだ。

小さな会議室に上司と二人きり。

窓の外には清々しい青空が広がっている。

上司には窓を背にする席に座ってもらい、ボクはテーブルを挟んで彼の正面の椅子に腰を下ろした。

 

ボクは深呼吸をして心の準備を整えた。

これまでの長い年月が、つい最近のように思い出された。

あの日、初めてこのオフィスに足を踏み入れた時の緊張。

数々のプロジェクトでの成功と失敗。

今となっては懐かしい想い出だ。

 

「これまで色々とお世話になりましたが、会社を辞めさせていただきます。」

 

ボクのこの言葉に驚きの表情を見せる上司。

「何だよ、急に!」

顔をしかめ、椅子に深くもたれかかった。

「君がいなくなると、この部署は大変なことになる。本当にそれでいいのか?」

 

ボクは頷き

「申し訳ありませんが、決意は変わりません。」

「9月末での退職を希望しています。」

「残りの3か月間でしっかり仕事の引継ぎはいたします。」

静かにそう答えた。

 

彼はため息をつきながら言う。

「君はここで重要な役割を果たしてきた。なぜそれを捨てるんだ?」

さらに続けて

「何かあったのか?」

「会社に不満があるのか?」

「会社を辞めて、何をするつもりだ?」

と矢継ぎ早に質問を投げかけてきた。

 

「会社での経験は大切に思っています。でも、私にはやりたい事があるんです。」

飛ぶ鳥跡を濁さず。

ボクは会社への不満を口にすることはしなかった。

 

代わりに、出張ドッグシャンプービジネスを起業することを正直に伝えると、呆れた表情を見せる彼。

そんなの上手くいく筈がないとでも言いたげだった。

 

「一から起業するのは大変だぞ。」

「会社にいれば、君ならそれなりの立場になれる。」

「もう少し考えたらどうだ?」

 

空虚な言葉。

ボクにはそう思えた。

 

「考えました。でも、これは私の人生です。新しいことに挑戦したいんです。」

「自分の決意は変わりません。」

 

そう念押しすると、彼は静かにうなずき、最終的には納得したようだ。

会社の経営陣には彼がボクの意向を伝えてくれることに。

仕事の引継ぎについて話し合い、会議室を後にした。

 

数日後、ボクが9月末に退職すると社内に公表された。

これでやっと退職に向けて動き出せる。

 

今までお世話になったお客さまへの挨拶回り。

多くの方から激励の言葉をかけていただいた。

嬉しいことに送別会を開いてくださる方も。

たくさんの温かい言葉に支えられた。

この3か月間は、会社で過ごした13年間の中で、もっとも充実した期間だったかもしれない。

 

そしてボクは無事に退職の日を迎えた。

いよいよ新しい旅立ち。

 

起業の決断は容易ではなかったが、新しい夢への一歩を踏み出すことで、ボクの中の何かが確かに変わった。

出張ドッグシャンプービジネスへの道は険しいかもしれないが、ボクはその道を歩むことを選んだ。

 

そして今、新たな旅が始まろうとしている。

ボクはワクワクしていた。

これからの挑戦に胸が膨らむ。

愛犬家の皆さんに喜んでもらえるサービスを提供していくために、どんな困難も乗り越えていく。

 

まずは、地元の愛犬家の皆さんに出張ドッグシャンプーサービスの存在を知ってもらうことから始めよう。

そして、出張サービスの特性を生かし、お客さまに寄り添うサービスを提供する。

さらには、SNSやウェブサイトを通じて、ビジネスの魅力を広めていこう。

 

今は小さな一歩かもしれない。

いつかはこのビジネスが多くの愛犬家に選ばれるサービスになるように、日々努力を続けていこう。

 

夢に向かって歩き続ければ、新しい可能性は必ず開けるとボクは信じている。

 


第二十五話「【出張ドッグシャンプー】中年サラリーマンが起業家として旅立つ」を最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回はいよいよ最終話です。

どうぞお楽しみに(^^)/


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